コラム
ワールドレジデンシャルから出る立ち退き料の「相場」は?弁護士が通知の後に行うべきことを解説

「突然、ワールドレジデンシャルから立ち退きの連絡がきた!」
とエジソン法律事務所へ相談に来られる方は、年に数人いらっしゃいます。
ワールドレジデンシャルとは、主にマンション等の不動産売買業・開発分譲などを行っている大手の開発会社(デベロッパー)です。
エジソン法律事務所では、こうした大手デベロッパーに関わる立ち退き料の交渉に携わることが多く、その中でもワールドレジデンシャルとは、何度か立ち退き交渉を行った経験があります。
今回の記事では、実際の交渉経験をもとに、ワールドレジデンシャル関連の立ち退きに関して、立ち退き料の目安や立ち退きの対処法などを解説していきます。
ワールドレジデンシャルとは
ワールドレジデンシャルは、不動産ビジネスの中核を担う大手デベロッパー企業です。 2010年に設立されたこの企業は、主に新築マンションや戸建て、宅地分譲に関する事業を行っており、土地の仕入れから企画・開発、販売、管理、アフターフォローなど、一連のサービスを提供しています。
また都市再生事業の一環としては、マンションの建て替えや再開発も実施。自社ノウハウを生かした複雑な権利調整を得意としており、実際に多くのマンション建て替えや再開発を実現しているようです。
ワールドレジデンシャルからの立ち退きは比較的多い
ワールドレジデンシャルの事業の中で、既存マンションやビルの入居者に立ち退き請求を行うことも多いようです。
この記事を執筆しているエジソン法律事務所では、立ち退き料増額のご依頼を受け付けております。その依頼の中でも、「ワールドレジデンシャルからの立ち退きに際して、提示された立ち退き料を増額したい」といった旨の相談は、少なくありません。
詳細は公表できませんが、2025年1月現在、ワールドレジデンシャルと弊所に関わりがある案件は下記のとおりです。
合意後立ち退き料支払済み・・・2件
合意後明渡し待ち・・・2件
ワールドレジデンシャルの場合、他の立ち退き案件に比べて比較的スムーズに進行するケースが多かったと記憶しています。
よくある立ち退き例
マンションやアパート、貸テナントなど、賃貸物件からの立ち退きは、次のような理由で行われることが多いです。
・老朽化による取り壊し
・高齢の大家の経営困難
賃貸人が賃借人に立ち退き請求を行うためには正当事由が必要ですが、上記の理由についても、正当事由への該当性が重要なポイントとなります。
ここでは、上記2つの理由について、詳しくご説明します。
老朽化による取り壊し
老朽化で建物を取り壊すことを理由に、入居者に退去を求める例は多く見受けられます。
実際に弊所に来る立ち退き料相談の約8割が、老朽化を正当事由に立ち退きを求められています。
ここで気になるのは、老朽化の程度でしょう。
例えば、建物が少し古くなってきたというだけの理由では、正当事由が認められることは基本的にありません。一方、「建物の老朽化が深刻で入居者に差し迫った危険がある」「耐震基準を満たしていない」など、危険性・緊急性の高いケースでは、正当事由が認められる可能性があります。
ただ多くのケースでは、対象の賃貸物件が居住に不自由のない状態であるにも関わらず、立ち退きが行われています。
高齢の大家の経営困難
高齢の大家が賃貸物件を管理・運営していくのが困難になったことを理由に、入居者に対し立ち退きを求めるケースがあります。
また、大家が亡くなってその相続人が賃貸物件を相続したものの、自分で管理・運営していくのが難しく、廃業のために入居者に立ち退き請求を行うケースもあります。
このような理由による立ち退きは、賃貸人側に一定の事情は認められるものの、あくまで賃貸人都合によるものです。そのため貸主側の正当事由としては不十分だと判断される可能性があります。したがって、正当事由の補完として立ち退き料の支払いが行われることがあります。
ワールドレジデンシャルの立ち退き料の「相場」
大家都合の立ち退きにおける立ち退き料の目安は「家賃の6〜12カ月分」と言われていますが、実際の立ち退き料の金額はケースバイケースです。
立ち退き料の金額は、賃貸人・賃借人の事情や従前の経過などによって異なるため、明確な相場というものは存在しません。
ただ大手デベロッパーに関連する立ち退きでは、立ち退き料は比較的高額になる傾向があります。大手デベロッパーは建て替え・再開発事業に際し、潤沢な資金を投じることがあるためです。
特にワールドレジデンシャルに関しては他デベロッパーに比べ、比較的誠実に対応していただけるため、より踏み込んだ交渉も可能でしょう。
弊所では、ワールドレジデンシャルと過去に立ち退き料の交渉を行った経験がございます。立ち退き料の概算を知りたい方は、エジソン法律事務所のホームページからお気軽にご相談ください。
即座に退去する必要はない
賃貸人から立ち退きの通知を受け取って、動揺しない人はいないでしょう。慌てて「退去しなくては!」と、すぐに引っ越し準備を始めてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は立ち退き通知を受け取ったからといって「入居者は即座に退去しなければならない」というわけではありません。
通常の賃貸借契約は、法定更新により自動的に更新されていきます。賃貸人がこの契約を解除するためには、正当事由を提示するとともに、契約期間満了の6カ月〜1年前までに更新をしない旨を賃借人に通知しなければなりません。
つまり、正当事由が認められる場合でも、通知から立ち退き期限までには、最低でも6カ月の猶予が設けられるはずなのです。
さらに正当事由が認められなければ、立ち退く必要さえありません。
まずは落ち着いて、次章「立ち退きの連絡が来たらまず行うべきこと」を参考に今後の対応を考えましょう。
立ち退きの連絡が来たらまず行うべきこと
物件のオーナーやデベロッパーから賃貸物件からの立ち退きを求める連絡が来た場合に、まず行うべき対応は、次の2つです。
①すぐに立ち退きに同意しない
オーナーやデベロッパーから立ち退きの連絡を受けた時には、すぐに同意せず、一旦返事を保留にするようにしましょう。
すぐに同意してしまっては、立ち退き料の増額はもちろん、立ち退き料の支払い自体も受けられない可能性があるためです。
立ち退き料の支払いは、法律上の義務ではありません。それにもかかわらずオーナーやデベロッパーが立ち退き料を支払うのは、対象の建物からの賃借人の退去をスムーズに進めるためです。
賃借人がすぐに立ち退きを受け入れた場合、オーナー側が立ち退き料を支払う理由はなくなり、当然立ち退き料増額の可能性もなくなってしまいます。
立ち退き料をしっかり受け取るためにも、立ち退き通知を受け取った際にはすぐに同意せず交渉の場を持ち、適正な金額の立ち退き料を請求するようにしましょう。
②オーナー側の正当事由を確認する
前章でもご紹介したように、賃貸人が賃借人に対し立ち退きを求めるには、正当事由が必要です。立ち退き通知を受けた時には、この正当事由の有無についても確認するようにしましょう。
正当事由の有無は、以下の要素から総合的に判断されます。
・賃貸人・賃借人それぞれの建物の使用を必要とする事情
・賃貸借に関する従前の経過
・建物の利用状況
・建物の現況
・財産上の給付
このうちの財産上の給付とは「立ち退き料の支払い」のことを指し、他の正当事由を補完する役割を持ちます。立ち退きにおける双方の事情や従前の経過などはケースによって大きく異なるため、それらの正当事由への該当性によって、立ち退き料の金額も大きく変わると考えてください。
とはいえ、一般の方が正当事由の有無を正しく判断するのは極めて困難です。正しい判断を行うためには、交渉とともに、立ち退き問題を扱う弁護士に依頼することをおすすめします。
立ち退き料の増額交渉はエジソン法律事務所へ相談を
ワールドレジデンシャル等のデベロッパーから立ち退きを求められた場合には、エジソン法律事務所へご相談ください。
立ち退き問題の解決実績豊富な弁護士が正当事由を正しく判断し、適正な金額の立ち退き料を求め、オーナー側との代理交渉を行います。ポイントを押さえた交渉により、立ち退き料の増額を目指すことも可能です。
立ち退きにあたっては、賃借人自身の負担を軽減するためにも、補償をしっかり受けることが重要です。
ワールドレジデンシャル様とは交渉経験があるため、立ち退き料増額には自信があります。まずはお気軽にご相談下さい。
エジソン法律事務所・立ち退き料増額ホームページ:https://edisonlaw.jp/tachinoki/
記事監修 : 代表弁護士 大達 一賢